代数

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well-definedとは何か?|剰余群の定義を理解しよう

代数学で群論を学ぶと,そのうち剰余群を学ぶことになりますが,剰余群の定義で戸惑ってしまう人は多いように思います.

この戸惑う根底にあるのは,“well-defined性”の概念でしょう.

剰余群の定義においてだけではなく,数学において“well-defined性”は非常に重要ですが,高校ではともかく大学でもその意味を教えてもらったことがない人も多いように思います.

少なくとも私は教わった記憶がありません.

剰余群を定義する際に,この“well-defined性”を理解していないと「どうしてこんな議論が必要なのか」と思ってしまうことが多いようです.

本記事では,剰余群の定義を通して“well-defined性”を理解することを目標とします.

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群と環と体の定義とそれらの例

代数学は数学の構造を研究する分野であり,群(group),環(ring),体(field)上において理論が展開されることが非常に多い.

群,環,体といった代数構造を定義するためには,「集合」と「演算」が必要となる.

例えば,整数の集合\Zは通常の加法+によって「群」となり,実数の集合\Rは通常の加法+と乗法\cdotによって「体」となる.また,実数係数の1変数多項式\R[x]の集合は通常の加法+と乗法\cdotによって「環」となる.

この記事では,最初に「2項演算」を説明し,そのあとに群,環,体の定義とそれらの例を挙げる.

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ペロン-フロベニウスの定理

[Perron-Frobenius(ペロン-フロベニウス)の定理]とは,全ての成分が正または非負である正方行列の最大固有値に関する定理である.

歴史的には,全ての成分が正の行列に対する定理をOskar Perronが示し,後にFerdinand Georg Frobeniusが全ての成分が非負の行列に対する同様の定理を示した.

また,この[Perron-Frobeniusの定理]の応用範囲は工学から経済学まで非常に広い.

なお,多項式に行列を代入したときの固有値に対するFrobeniusの定理は以下を参照されたい.

【参考記事:フロベニウスの定理

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フロベニウスの定理|行列と多項式と固有値

多項式f(x)=a_nx^n+\dots+a_1x+a_0と行列Aに対して,

f(A):=a_nA^n+\dots+a_1A+a_0I

とし,f(A)fAを代入した行列という.ただし,Iは単位行列である.

Frobenius(フロベニウス)の定理は,行列Aの固有値と,多項式f(x)に行列Aを代入した行列f(A)の関係を述べた定理で,f(A)の固有値を求めるのに非常に有用である.

なお,「正値正方行列には最大実固有値が唯一存在し,この固有値に属する固有ベクトルは正値ベクトルである」というPerron-Frobeniusの定理は以下を参照されたい.

【参考記事:ペロン-フロベニウスの定理

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【書評】代数学1 群論入門(雪江明彦著,日本評論社)

代数学1 群論入門

本記事では,

「代数学1 群論入門」 (雪江明彦著,日本評論社)

の紹介をする.

群論の入門書.続巻として2巻,3巻がある.

具体例が豊富な上に,それぞれが非常に丁寧に解説されており,非常に理解しやすい.

群論の導入書として,強くオススメできる好著である.

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【書評】線型代数入門(齋藤正彦著,東京大学出版会)

線型代数学入門

本記事では,

「線型代数入門」 (齋藤正彦 著/東京大学出版会)

の紹介をする.

線型代数の入門書.

本書に対応した演習書「線型代数演習」(齋藤正彦 著,東京大学出版会)も出版されている.

線形代数の教科書として半世紀に渡って売れ続けている超ロングセラーの教科書.

本書が発行されて以来,多くの教科書が本書を真似て書かれてきたといっても過言ではないほど,日本の線形代数の指導方針にインパクトを与えた名著である.

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