山本 拓人

測度論

極限と級数が順序交換であるための条件|微分と級数の交換も解説

関数列{fₙ}の級数Σfₙについて,極限limや微分d/dxを計算するとき,Σとlimの順序交換,Σとd/dxの順序交換ができると簡単に計算が進むことはよくあります.この記事では,これらが交換可能であるための条件を解説します.
ルベーグ積分の基本

微分と積分が順序交換可能な条件|ルベーグの収束定理の応用

2変数関数fに対してF(t)=∫f(x,t)dxで定まる関数Fを微分するとき,微分と積分の順序交換をしたいことがよくあります.ルベーグの収束定理を用いることで,微分と積分の順序交換ができるための条件を導くことができます.
群論の基本

生成される部分群の考え方を具体例から解説|巡回群も紹介

群(G,・)に対し,いくつかのg₁,g₂,……,gₙ∈Gとそれらの逆元を演算してできるGの元全部の集合は群(G,・)の部分群になり,この群を{g₁,g₂,……,gₙ}により生成される部分群といい,〈g₁,g₂,……,gₙ〉と表します.
複素解析

フレネル積分を複素積分で計算する|cos(x²),sin(x²)の広義積分

0≦xでのcos(x²), sin(x²)の広義リーマン積分を「フレネル積分」といいます.フレネル積分は複素積分に持ち込み,コーシーの積分定理を用いることにより計算することができます.また,一般化したcos(xⁿ), sin(xⁿ)の広義リーマン積分も計算しています.
線形代数学

特異値分解(SVD)による低ランク近似|画像圧縮への応用

実対称行列Aに対して直交行列Pをうまくとれば,P⁻¹APが対角行列になります.を対角行列にすることができます.行列Aが正方行列でない場合には類似の「特異値分解(SVD)」が成り立ち,特異値分解は画像圧縮やクラスタリングの効率化などに応用されます.
線形空間の基本

線形空間の基底の定義・基本性質|証明のテンプレートも紹介

一般に,線型空間Vのベクトルv₁,v₂,……,vₙが(1)Vを生成し(2)全て線形独立であるとき,組(v₁,v₂,……,vₙ)をVの基底といいます.この記事では,基底であることの定義・具体例を説明し,基底による線形結合の一意性も証明します.
重要な確率分布

ポアソン分布Po(λ)とは?定義と期待値・分散・母関数の計算

「事象が時間あたりに起こる回数」が従う確率分布をポアソン分布といいます.この記事では,ポアソン分布を定義して,具体例を紹介します.そのあと,定義から期待値E[X],分散V[X],母関数を求めます.
確率分布の性質

ベルヌーイ分布に従う確率変数の和は二項分布に従う|直観と証明

一般に,確率変数X₁,X₂,……,Xₙがベルヌーイ分布Ber(p)に独立に従うとき,これらの和X₁+X₂+……+Xₙは二項分布Bin(n,p)に従います.また,同様の関係が幾何分布Geo(p)と負の二項分布NB(r,p)に対しても成り立ちます.
重要な確率分布

負の二項分布NB(n,p)とは?期待値・分散と名前の由来も解説

「負の二項分布」は幾何分布を一般化した確率分布で,「表が確率pで出るコインを繰り返し投げて,r回表が出るまでの裏の回数」が従う確率分布のことをいい,この確率分布をNB(r,p)と表します.負の二項分布の由来も解説します.
重要な確率分布

幾何分布Geo(p)の期待値・分散・母関数|初成功までの失敗回数

表が確率1/3で出る歪んだコインを繰り返し投げて,初めて表が出るまでの裏の回数は幾何分布Geo(1/3)に従います.一般に,ベルヌーイ試行を繰り返して初めて成功するまでの失敗の回数をとる確率変数が従う確率分布を幾何分布といいます.