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解析学一覧

シュレディンガー方程式のストリッカーツ評価の導出

前回の記事では,初期値u_0=u(0,x)に対する自由Schrödinger方程式

    \begin{align*} i\partial_t{u}(t,x)+\Delta u(t,x)=0 \end{align*}

の解u=e^{it\Delta}u_0について成り立つ[L^pL^q評価]を示しました.

この記事では,Schrödinger(シュレディンガー)方程式を考える際に重要な不等式である[Strichartz(ストリッカーツ)評価]を説明します.

[L^pL^q評価]は端点の場合を示し,間の組(p,q)に対しては補間定理を用いることで示すことができるのでした.

なお,Schrödinger方程式の[Strichartz評価]は,歴史的にはより古い波動方程式に関する[Strichartz-Brenner評価]に対応します.

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常微分方程式の解の存在と一意性|逐次近似法のイメージ

例えば,初期条件x(0)=x_0を満たす常微分方程式

    \begin{align*} \od{x}{t}(t)=-tx(t) \end{align*}

の解がただ一つ存在することは[Picard(ピカール)-Lindelöf(リンデレフ)の定理]により分かります.

この[Picard–Lindelöfの定理]は常微分方程式の解を帰納的に近似していく方法により証明されますが,この近似の方法を[Picardの逐次近似法]といいます.

[Picardの逐次近似法]のイメージを掴むだけであれば,具体例を考えるのが良いでしょう.

さらに,[Picardの逐次近似法]は「完備距離空間上の縮小写像は唯一つの不動点をもつ」という[Banachの不動点定理]を適用することで示すことができます.

この記事では

  • [Picardの逐次近似法]の具体例
  • [Picard-Lindelöfの定理]の内容と証明

の2つを説明します.

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ベクトル解析の基本の微分公式のまとめ|gradとdivとrot

ベクトル解析において,3つの微分作用素

  • 勾配\operatorname{grad}
  • 発散\operatorname{div}
  • 回転\operatorname{rot} (\operatorname{curl})

は基本的で,多くの場面で現れます.

とくに積に関する微分(例えば\operatorname{div}{f\m{v}}, \operatorname{grad}(fg)など)はよく現れ,これは公式として当たり前に使えるようになっておきたいところです.

この記事では,これら3つの基本の微分作用素の

  • 和の微分公式
  • 積の微分公式
  • 内積/外積の微分公式

をまとめます.

なお,それぞれの微分作用素の定義とイメージについては以下の記事を参照してください.

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gradとdivとrotのイメージ|ナブラ∇に関する3つの微分作用素

線形代数学でベクトルを学び,微分積分学で偏微分を学びます.

数学や物理ではベクトルに関する偏微微分を考えることがよくあり,ベクトルの偏微分を扱う分野としてベクトル解析があります.

その中でよく扱う偏微分として

  • 勾配\operatorname{grad}
  • 発散\operatorname{div}
  • 回転\operatorname{rot} (\operatorname{curl})

があります.

この記事では,これらの定義とイメージを説明し,ナブラ\nablaによる表し方を説明します.

また,これら3つの微分作用素の合成の関係式も紹介します.

なお,[和の微分公式],[積の微分公式],[内積・外積の微分公式]については以下の記事を参照してください.

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シュワルツ空間の定義と完備性|急減少関数の空間を考える

|x|\to\inftyのときに任意の多項式より速く減衰する関数を急減少関数 (rapidly decreasing function)といいます.

また,急減少関数全部の集合をSchwartz(シュワルツ)空間といい,Fourier(フーリエ)変換と密接な関係をもつなど重要な関数空間の1つです.

例えば,有界区間I上で1回連続微分可能な関数の空間C^1(I)

    \begin{align*} \|f\|:=\sup_{x\in I}|f(x)|+\sup_{x\in I}|f'(x)| \end{align*}

をノルムとして完備となります.

このように,適当な性質をもつ可算個のセミノルムの族を備えた完備な空間をFréchet空間といい,実はSchwartz空間もFréchet空間です.

この記事では,Schwartz空間を定義し,完備性を証明します.

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一様可積分性の判定条件|十分条件と必要十分条件

一様可積分性をもつ確率変数列は,積分と極限の順序交換に関する[Vitaliの収束定理]が成り立つ.

[Vitaliの収束定理]は一様可積分な確率変数列が0に概収束していれば,期待値も0に収束することが言えるため,[Lebesgueの収束定理]とは違って優関数をとってこなくても適用できる点が大きなメリットである.

この[Vitaliの収束定理]については前回の記事で説明したので参照されたい.

したがって,[Vitaliの収束定理]を適用するには,確率変数列が一様可積分であることを判定する必要がある.

今回の記事では一様可積分性が成り立つための

  • 十分条件
  • 必要十分条件

を説明する.

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一様可積分とヴィタリの収束定理|ルベーグの収束定理の一般化

前回の記事で,確率変数列の基本の収束については

  • 概収束と平均収束の間に関係はなく
  • 確率収束しても平均収束しない

のであった.しかし,一様可積分性のもとで確率変数列の収束を考えると,

  • 概収束すれば1次平均収束する
  • 1次平均収束と確率収束は同値である

ということが示される.

とくに前者は[Vitali(ヴィタリ)の収束定理]と呼ばれ,[Lebesgue(ルベーグ)の収束定理]の一般化となっている.

この記事で[Vitali(ヴィタリ)の収束定理]の証明をし,一様可積分性のもとで1次収束平均と確率収束が同値であることは次の記事で証明する.

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確率変数の4つの収束|概収束,平均収束,確率収束,法則収束

確率変数列\{X_n\}_{n\in\N}の収束として,

  • 概収束
  • 確率収束
  • 平均収束
  • 法則収束

の4種類が基本的である.

これらの間には,たとえば確率収束する確率変数は法則収束するように,これらの収束の間に強弱の関係がある.

この記事では,これらの収束の定義を述べたあと,これらの収束の条件の強さを比較する.

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バナッハ空間とヒルベルト空間の完備でない部分空間の例

完備なノルム空間をBanach(バナッハ)空間といい,完備な内積空間をHilbert(ヒルベルト)空間という.

Banach空間(Hilbert空間)はもとより線型空間なので,線型空間としての部分空間を考えることができる.この部分空間に元の空間と同じノルム(内積)を与えたものはノルム空間(内積空間)となるが,完備性を持つとは限らない.

すなわち,Banach空間の部分空間が同じノルムでBanach空間になるとは限らないし,Hilbert空間の部分空間が同じ内積でHilbert空間になるとは限らない.

本稿では,Hilbert空間の部分ノルム空間で完備でないものの例を考える.その際,以下の事実に注意する.

一般に,Banach空間,Hilbert空間の部分空間が同じノルムで完備であるためには,部分空間が閉であることが必要十分である.したがって,Banach空間,Hilbert空間の閉でない部分ノルム空間は完備でない.

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シュレディンガー方程式の基本解の[LpLq評価]の導出

この記事では,Schrödinger(シュレディンガー)方程式の基本解に関して基本的な評価式である[L^pL^q評価]を説明します.

Schrödinger方程式の基本解とは,大雑把には初期値u_0=u(0,x)に対する自由Schrödinger方程式

    \begin{align*} i\partial_t{u}(t,x)+\Delta u(t,x)=0 \end{align*}

の解uのことで,u,u_0\in\mathcal{S}(\R^d)のとき解はu=e^{it\Delta}u_0と表すことができます.

Schrödinger方程式の[L^pL^q評価]は\|e^{it\Delta}u_0\|_{L^{p}(\R^{d})}\|u_0\|_{L^{q}(\R^{d})}で上から評価する不等式です.

Schrödinger方程式に関する重要な評価式である[Strichartz(ストリッカーツ)評価]のベースとなります.

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