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シュレディンガー方程式のストリッカーツ評価の導出

前回の記事では,初期値$u_0=u(0,x)$に対する自由Schrödinger方程式

    \begin{align*} i\partial_t{u}(t,x)+\Delta u(t,x)=0 \end{align*}

の解$u=e^{it\Delta}u_0$について成り立つ[$L^pL^q$評価]を示しました.

この記事では,Schrödinger(シュレディンガー)方程式を考える際に重要な不等式である[Strichartz(ストリッカーツ)評価]を説明します.

[$L^pL^q$評価]は端点の場合を示し,間の組$(p,q)$に対しては補間定理を用いることで示すことができるのでした.

なお,Schrödinger方程式の[Strichartz評価]は,歴史的にはより古い波動方程式に関する[Strichartz-Brenner評価]に対応します.

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LaTeXコマンド集4|括弧の種類と大きさを変える方法

括弧かっこのLaTeXコマンドを紹介します.

数学においては様々な括弧が用いられますが,括弧の中身によって適切な大きさの括弧は変わりますね.

LaTeXには,中身に合わせて自動で適切な括弧の大きさに変化させることができるコマンドがあります.

なお,本稿では以下のように3つのパッケージ

  • amsmath.sty
  • amsfonts.sty
  • amssymb.sty

を用います.

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LaTeXコマンド集3|数学で使う様々な矢印を出力する

矢印のLaTeXコマンドを紹介します.

単純な上下左右の向きの矢印だけでなく,斜め向きや様々な形の矢印をLaTeXによって出力できます.

また,矢印の上下に文字を記述する矢印もあります.

なお,本稿では以下のように3つのパッケージ

  • amsmath.sty
  • amsfonts.sty
  • amssymb.sty

を用います.

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常微分方程式の解の存在と一意性|逐次近似法のイメージ

例えば,初期条件$x(0)=x_0$を満たす常微分方程式

    \begin{align*} \od{x}{t}(t)=-tx(t) \end{align*}

は適切な定義域において解をただ1つもちます.

このことは[Picard(ピカール)-Lindelöf(リンデレフ)の定理]により示されます.

この[Picard–Lindelöfの定理]は常微分方程式の解を帰納的に近似していく方法により証明されますが,この近似の方法を[Picardの逐次近似法]といいます.

この記事では

  • [Picardの逐次近似法]の具体例
  • [Picard-Lindelöfの定理]の内容と証明

の2つを説明します.

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LaTeXで図を直接描けるTikZの使い方5|領域に色を塗る

前回の記事までで,TikZによる

  • 直線・円・楕円といった基本的な描線
  • 点線や矢印や色など線のスタイル
  • $y=f(x)$の基本的なグラフ,媒介変数表示された方程式,極方程式などの描き方
  • 便利な座標の定義や,座標計算の方法

など「描線」について説明してきました.

この記事では「領域」の塗り方について説明します.

TikZで領域が塗れるようになると,図による表現の幅が大きく広がりますね.

なお,本稿では以下のように3つのライブラリintersections, calc, arrowsを用います.

なお,ライブラリについては最初の記事で説明しています.

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ベクトル解析の基本の微分公式のまとめ|gradとdivとrot

ベクトル解析において,3つの微分作用素

  • 勾配$\operatorname{grad}$
  • 発散$\operatorname{div}$
  • 回転$\operatorname{rot}$ ($\operatorname{curl}$)

は基本的で,多くの場面で現れます.

とくに積に関する微分(例えば$\operatorname{div}{f\m{v}}$, $\operatorname{grad}(fg)$など)はよく現れ,これは公式として当たり前に使えるようになっておきたいところです.

この記事では,これら3つの基本の微分作用素の

  • 和の微分公式
  • 積の微分公式
  • 内積/外積の微分公式

をまとめます.

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gradとdivとrotのイメージ|ナブラ∇に関する3つの微分作用素

線形代数学でベクトルを学び,微分積分学で偏微分を学びます.

数学や物理ではベクトルに関する偏微微分を考えることがよくあり,ベクトルの偏微分を扱う分野としてベクトル解析があります.

その中でよく扱う偏微分として

  • 勾配$\operatorname{grad}$
  • 発散$\operatorname{div}$
  • 回転$\operatorname{rot}$ ($\operatorname{curl}$)

があります.

この記事では,これらの定義とイメージを説明し,ナブラ$\nabla$による表し方を説明します.

また,これら3つの微分作用素の合成の関係式も紹介します.

なお,[和の微分公式],[積の微分公式],[内積・外積の微分公式]については以下の記事を参照してください.

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商集合の考え方と具体例|同値関係はただのグループ分け

集合論には二項関係という概念がありますが,二項関係の中でもある性質を満たすものを同値関係といいます.

最初に「同値関係」と聞くと語感からキツい印象を受けてしまいますが,実際にはただの「グループ分け」の考え方を数学的に定式化したものにほかなりません.

とはいえ,同値関係は数学の様々な分野に現れる概念であり,縁の下の力持ちともいえます.例えば

  • 代数学では剰余群$G/N$
  • 幾何学では射影空間$\K P_n$
  • 解析学ではLebesgue(ルベーグ)空間$L^p(\R^n)$

などは商集合の一種で,定義には同値関係が必要です.

この記事では,同値関係の基本的な考え方と,同値関係の具体例を考えます.

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無理数は有理数よりも多い?|対角線論法による濃度差の証明

たとえば

  • $\frac{2}{3}=0.66666\dots$
  • $-\frac{1}{5}=-0.20000\dots$

のように,(整数)/(整数)の形の分数は小数に直すと必ず循環する小数で表すことができ,このような数を有理数というのでした.

一方で,有理数でない(循環小数で表せない)実数のことを無理数といい,例えば$\sqrt{2}$などがありますね.

義務教育下では,有理数は小学校以来扱ってきますが,無理数は中学数学で2次方程式を解くために導入される平方根に関連して$\sqrt{\quad}$が現れるのが最初でしょう.

さて,この記事では「無理数と有理数はどちらの方が多いでしょう?」という問題を考えますが,この問題に対してどのように考えれば良いでしょうか?

いろいろ考えるところはあると思いますが,モノの多さを計る指標として数学には濃度というものがあり,濃度を考えると「無理数の方が多い」ということができます.

この記事では濃度の基本的な考え方を説明し,「有理数が無理数よりも多い」ということを前提知識が少ない人にも分かるように,なおかつそれなりに数学的に説明します. 続きを読む


3次方程式の解の公式|「カルダノの公式」の導出と歴史

2次方程式$ax^2+bx+c=0$の解が

    \begin{align*} x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a} \end{align*}

であることはよく知られており,これを[2次方程式の解の公式]といいます.

そこで[2次方程式の解の公式]があるなら[3次方程式の解の公式]はどうなのか,と考えることは自然なことと思います.

歴史的には[2次方程式の解の公式]は紀元前より知られていたものの,[3次方程式の解の公式]が発見されるには16世紀まで待たなくてはなりません.

この記事では,[3次方程式の解の公式]として知られる「カルダノの公式」の歴史と導出について説明します.

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