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一様可積分とヴィタリの収束定理|ルベーグの収束定理の一般化

前回の記事で,確率変数列の基本の収束については

  • 概収束と平均収束の間に関係はなく
  • 確率収束しても平均収束しない

のであった.しかし,一様可積分性のもとで確率変数列の収束を考えると,

  • 概収束すれば1次平均収束する
  • 1次平均収束と確率収束は同値である

ということが示される.

とくに前者は[Vitali(ヴィタリ)の収束定理]と呼ばれ,[Lebesgue(ルベーグ)の収束定理]の一般化となっている.

この記事で[Vitali(ヴィタリ)の収束定理]の証明をし,一様可積分性のもとで1次収束平均と確率収束が同値であることは次の記事で証明する.

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確率変数の4つの収束|概収束,平均収束,確率収束,法則収束

確率変数列\{X_n\}_{n=1}^{\infty}の収束として,

  • 概収束
  • 確率収束
  • 平均収束
  • 法則収束

の4種類が基本的である.

これらの間には,たとえば確率収束する確率変数は法則収束するように,これらの収束の間に強弱の関係がある.

この記事では,これらの収束の定義を述べたあと,これらの収束の条件の強さを比較する. 続きを読む


線形代数1|行列の積の定義はどうしてこうなる?

線形代数は行列ベクトルを用いて記述される.

行列とベクトルは線形代数の最初期に定義されることになるが,そもそも行列がどのような考え方で導入されたのか良く分からず,「そういうもの」という程度の理解で曖昧なまま読み進めてしまうことも多い.

後に分かってくることではあるが,行列とベクトルを使うことにより,多変数の1次式を簡単に表すことができるというメリットがある.

また,行列の積の定義を最初に見たとき,どうしてそのように定義するのか理解に苦しむ人も多いが,行列の積の定義は自然な発想に基づくものであることもこの記事で解説する.

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線形代数の初学者のための道案内|線形代数のイメージを知る

「線形代数学」は大学以降の数学の基盤になる基礎的な分野で,多くの理系大学生が1年生で習うことになります.

線形代数学は他のほとんどの数学の分野で使われると言ってもいいほど大切な分野なので,とくに理論系の学科の人はここでコケてしまうと2年生以降がかなり厳しくなってしまいます.

定義や定理を覚えることは大切ですが,以上で説明した大枠のイメージを持っていれば,丸覚えすることなく自然に理解し覚えることができます.

数学では定義や定理は抽象的に表されることが多いですが,その裏には「やりたいこと」があります.

この「やりたいこと」のイメージを理解しておかないと,一体何をやっているのか分らなくなってしまいます.数学は数式が先にあるのではなく,やりたいことが最初にありそれを表現するために数式を用いるだけです.

さて,どこかに道案内をしてもらう時には,どの建物に行くのか分かった状態で付いて行くのと,目的地がわからないまま付いて行くのでは安心感が違います.

これは何かを学ぶときでも同じで,最初にどういうことをするのか分かった状態で学ぶ方が,効率的に身に付きます.

大学の学部で学ぶ線形代数学はJordan標準形あたりまでで終了することが多いので,この記事では線形代数学の初学者に線形代数のイメージと目指す方向を知ってもらうために,Jordan標準形あたりまでの線形代数学の全体像を見ていきます.

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偏相関係数の考え方と定義式|回帰直線を用いて導出する

1日の「プールの利用者数」と「アイスの売り上げ」と記録すると,これらは正の相関があります.

しかし,常識的に考えて「プールの利用者数が多くなるからアイスの売り上げが上がる」わけではないし,この逆の「アイスの売り上げが上がるからプールの利用者数が多くなる」わけでもありません.

このように,相関とは「片方が大きいときに他方も大きいかどうか」を考えるものなので,「因果関係」までは分かりません.

さて,「プールの利用者数」と「アイスの売り上げ」を変化させる原因としては「気温」が挙げられます.

よって,「気温」の変化による「プールの利用者数」と「アイスの売り上げ」の影響を除いたものの相関を考えると相関関係は見られないのではないかと予想ができます.

このように,ある特定の影響を除いて考える相関係数のことを偏相関係数といいます.

この記事では,偏相関係数の考え方と導出法を説明します.

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回帰分析の目的|最小二乗法から回帰直線を求める方法

例えば,「気温」と「アイスの売り上げ」の間にどのような関係性があるのかを考えたいとき,散布図を描いて視覚的に考えることはよくありますね.

ただ,散布図を描いて,「データの分布を見て,気温が高いほどアイスの売り上げが良い」と主張しても良いですが,より定量的に説明した方が説得力が増すことには異論の余地はないでしょう.

そこで,「見た感じ」ではなく数学的にきっちりとこの相関を表現するための方法として,「回帰分析」という方法があります.

回帰分析を用いると,「気温」と「アイスの売り上げ」の間の相関の強さをグラフとして視覚的に捉えることができるので,よりハッキリと人に説明することができます.

この記事では,「最小二乗法」を使った回帰分析の考え方を説明します.

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最尤推定法の考え方|データから分布を推定する方法

何らかの全国規模の調査を行いたいとき,対象者全員に調査することができれば最もよいですが,それは時間やコストなどの面から現実的ではありません.

ですから,対象者の一部に調査を行い,そこで得られたデータから対象者全員の分布を推測することになります.

その推測の方法は色々ありますが,その一つに「最尤推定法」というものがあり,名前の通り「最もそれっぽい分布を推定する方法」です.

「最尤推定法」という名前を聞くといかめしい印象を受けますが,(実際の計算はともかく)実は考え方はシンプルでそれほど難しいものではありません.

この記事では,「最尤推定法」の考え方を説明し,最尤推定法の使い方をみます.

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LaTeXで図を直接描けるTikZの使い方4|座標の定義と計算

例えば,座標上の点(1,2)を何度も用いるなら,”(1,2)“を何度も書くのは面倒である.

また,(1,2)(3,2)に書き換えたいとき,全ての(1,2)(3,2)に書き換えなければならず,とても面倒である.

TikZでは点(1,2)を”(A)”と名付けることができ,点(1,2)の代わりに”(A)”と書いた部分は全て点(1,2)として処理することができる.

こうすると,もし点(1,2)(3,2)に書き換えたいなら,たった1ヶ所”(A)”の定義を(3,2)に書き換えるだけで,全ての(1,2)(3,2)に置き換わる.

このように,点の定義は適切に利用すれば,TikZの記述の編集が非常に簡単になる.

また,TikZでライブラリ”calc”を用いることで,座標の計算ができるようになる.これについても,本記事で説明する.

なお,本稿では以下のように2つのライブラリ”intersections”,”calc”を用いる.

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well-definedとは何か?|剰余群の定義を理解しよう

代数学で群論を学ぶと,そのうち剰余群を学ぶことになりますが,剰余群の定義で戸惑ってしまう人は多いように思います.

この戸惑う根底にあるのは,“well-defined性”の概念でしょう.

剰余群の定義においてだけではなく,数学において“well-defined性”は非常に重要ですが,高校ではともかく大学でもその意味を教えてもらったことがない人も多いように思います.

少なくとも私は教わった記憶がありません.

剰余群を定義する際に,この“well-defined性”を理解していないと「どうしてこんな議論が必要なのか」と思ってしまうことが多いようです.

本記事では,剰余群の定義を通して“well-defined性”を理解することを目標とします.

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LaTeXで図を直接描けるTikZの使い方3|グラフの描き方

TikZではy=x^2+xy=\sin{x}などといったy=f(x)の陽関数だけでなく,媒介変数表示された点(x(t),y(t))のグラフを描くこともできる.

関数のグラフを書くための三角関数,指数関数,対数関数のコマンドも用意されており,初等関数はほぼ問題なく描くことができる.

もちろん前回の記事で説明した線のスタイルの変更も行えるので,重要なグラフは太くするといった描画も可能である.

また,極座標表示も可能なので,この記事で説明する.

したがって,極座標表示を用いることにより,極方程式のグラフも描くことができる.

なお,本稿では以下のように2つのライブラリ”intersections”,”calc”を用いる.

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