LaTeXで図を直接描けるTikZの使い方3|グラフの描き方

 
 

本記事は

の続きである.

準備TikZの基本の設定などは1つめの記事を参照されたい.

TikZでは,y=f(x)のような陽関数のグラフはもちろん,媒介変数で表された点(x(t),y(t))のグラフも描くことができる.

さらに,TikZは極座標表示を用いることもできるので,極方程式のグラフを描くこともできる.

なお,本稿では以下のように2つのライブラリ”intersections”,”calc”を用いる.

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LaTeXで図を直接描けるTikZの使い方2|線のスタイル

 
 

本記事は【LaTeXで図を直接描けるTikZの使い方1|基本的な描線】の続きである.

前の記事では,TikZを使うための環境について説明し,基本的な線分や曲線の描き方を説明した.

TikZでは線を点線にしたり,矢印にしたりと線のスタイルを変更することができ,これにより図の表現の幅が飛躍的に広がる.

本稿では,描線のスタイルについて説明する.

ただし,本稿では以下のように2つのライブラリ”intersections”,”calc”を用いる.

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LaTeXで図を直接描けるTikZの使い方1|基本的な描線

 
 

LaTeXで図を扱いたいとき,もともと画像ファイルを作っておいて,それを挿入表示させる方法がある.

しかし,図とLaTeXの文字のバランスの調整が難しかったり,図の挿入が綺麗に挿入できないことも少なくない.

そこで,本稿ではTeXファイルに直接記述することで図を描くことができるパッケージのTikzのLaTeXでの使い方を紹介する.

TikZを使えば,直線,曲線,グラフも直接描くことができ,非常に便利である.

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ガウス関数のフーリエ変換を具体的に計算する

 
 

Fourie変換は「関数を波の和で表す」という発想に基づいた変換であり,理工系の様々な分野で重宝される.

G(x)=Ae^{-\eta x^2} (x\in\R)で定まる関数Gを(1次元の)Gauss(ガウス)関数(Gaussian/ガウシアン)いい,Gauss関数は正規分布の確率密度関数として知られる.

Gauss関数はFourier変換を施してもGauss関数であるという性質をもつ.

Fourier変換を数学的に定義するには,ある程度の条件(可積分性など)が必要である.具体的には,Lebesgue可積分であるような関数には,Fourier変換を定義することができる.

本記事では,Gauss関数にFourier変換が定義できることを説明し,Gauss関数のFourier変換が再びGauss関数になることを計算により確かめる.

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バナッハ空間とヒルベルト空間の完備でない部分空間の例

   

完備なノルム空間をBanach(バナッハ)空間といい,完備な内積空間をHilbert(ヒルベルト)空間という.

Banach空間(Hilbert空間)はもとより線型空間なので,線型空間としての部分空間を考えることができる.この部分空間に元の空間と同じノルム(内積)を与えたものはノルム空間(内積空間)となるが,完備性を持つとは限らない.

すなわち,Banach空間の部分空間が同じノルムでBanach空間になるとは限らないし,Hilbert空間の部分空間が同じ内積でHilbert空間になるとは限らない.

本稿では,Hilbert空間の部分ノルム空間で完備でないものの例を考える.その際,以下の事実に注意する.

一般に,Banach空間,Hilbert空間の部分空間が同じノルムで完備であるためには,部分空間が閉であることが必要十分である.したがって,Banach空間,Hilbert空間の閉でない部分ノルム空間は完備でない.

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シュレディンガー方程式のストリッカーツ評価の導出

   

本稿では,Schrödinger(シュレディンガー)方程式に関する不等式評価であるStrichartz評価とその証明を解説する.

Strichartz(ストリッカーツ)評価は,波動方程式に関する不等式評価であるStrichartz-Brenner評価に対応し,歴史的にはStrichartz-Brenner評価の方が古い.

Strichartz評価の証明のためには,「自由Schrödinger発展作用素e^{it\Delta}の分散型評価(分散評価)」と「Hardy-Littlewood-Sobolervの不等式」を用いることになる.

なお,自由Schrödinger発展作用素e^{it\Delta}は,初期値u_0に対して自由Schrödinger方程式

i\partial_t{u}+\Delta{u}=0

の解e^{it\Delta}u_0を表す作用素e^{it\Delta}のことである.

【参考記事:自由シュレディンガー方程式の解の性質

Strichartz評価はSchrödinger方程式の評価をする上で,非常に重要な役割を果たす.

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ハメル基底とf(x+y)=f(x)+f(y)をみたす関数

 
 

「Hamel(ハメル)基底」は「体\Q上のベクトル空間\Rの基底」のことをいい,選択公理を認めると「Hamel基底の存在」を証明することができる.

【参考記事:ベクトル空間の基底とハメル基底の存在の証明

さて,「Hamel基底が存在したら何が分かるのか」ということだが,Hamel基底を用いれば「任意のx,y\in\Rに対して,f(x+y)=f(x)+f(y)をみたす関数f:\R\to\Rf(x)=ax (a\in\R)に限られるか」という問題に対する反例を挙げることができる.

すなわち,f(x)=axならf(x+y)=f(x)+f(y)をみたすことは簡単に分かるが,Hamel基底の存在によりf(x)=axの形をしていないf(x+y)=f(x)+f(y)をみたす関数が存在することを示すことができるのである.

この記事では,Hamel基底を説明したあと,「f(x+y)=f(x)+f(y)をみたす関数f:\R\to\Rf(x)=ax (a\in\R)に限られるか」という問題に対する反例を考える.

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ベクトル空間の基底とハメル基底の存在の証明

   

Zorn(ツォルン)の補題は選択公理と同値な存在定理である.

選択公理を認めないとする立場もあるが,この記事では選択公理を認めてZornの補題を用いることで「基底」の存在を証明する.ここでの「基底」とは次の2つを指している.

  1. ベクトル空間における基底
  2. Hamel基底

これらの定義はのちに述べるが,ともかくこの両者の存在はZornの補題によって証明される.すなわち,選択公理を認めれば

  1. \{0\}でない任意のベクトル空間は基底を持つ
  2. Hamel基底が存在する

を証明することができる.

なお,Hamal基底のイメージなどについては以下の記事で触れています.

【参考記事:ハメル基底とf(x+y)=f(x)+f(y)をみたす関数

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群と環と体の定義とそれらの例

   

代数学は数学の構造を研究する分野であり,群(group),環(ring),体(field)上において理論が展開されることが非常に多い.

群,環,体といった代数構造を定義するためには,「集合」と「演算」が必要となる.

例えば,整数の集合\Zは通常の加法+によって「群」となり,実数の集合\Rは通常の加法+と乗法\cdotによって「体」となる.また,実数係数の1変数多項式\R[x]の集合は通常の加法+と乗法\cdotによって「環」となる.

この記事では,最初に「2項演算」を説明し,そのあとに群,環,体の定義とそれらの例を挙げる.

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