well-definedとは何か?|剰余群の定義を理解しよう

 
 

代数学で群論を学ぶと,そのうち剰余群を学ぶことになりますが,剰余群の定義で戸惑ってしまう人は多いように思います.

この戸惑う根底にあるのは,“well-defined性”の概念でしょう.

剰余群の定義においてだけではなく,数学において“well-defined性”は非常に重要ですが,高校ではともかく大学でもその意味を教えてもらったことがない人も多いように思います.

少なくとも私は教わった記憶がありません.

剰余群を定義する際に,この“well-defined性”を理解していないと「どうしてこんな議論が必要なのか」と思ってしまうことが多いようです.

本記事では,剰余群の定義を通して“well-defined性”を理解することを目標とします.

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LaTeXで図を直接描けるTikZの使い方3|グラフの描き方

 
 

本記事は

の続きである.

準備TikZの基本の設定などは1つめの記事を参照されたい.

TikZでは,y=f(x)のような陽関数のグラフはもちろん,媒介変数で表された点(x(t),y(t))のグラフも描くことができる.

さらに,TikZは極座標表示を用いることもできるので,極方程式のグラフを描くこともできる.

なお,本稿では以下のように2つのライブラリ”intersections”,”calc”を用いる.

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LaTeXで図を直接描けるTikZの使い方2|線のスタイル

 
 

本記事は【LaTeXで図を直接描けるTikZの使い方1|基本的な描線】の続きである.

前の記事では,TikZを使うための環境について説明し,基本的な線分や曲線の描き方を説明した.

TikZでは線を点線にしたり,矢印にしたりと線のスタイルを変更することができ,これにより図の表現の幅が飛躍的に広がる.

本稿では,描線のスタイルについて説明する.

ただし,本稿では以下のように2つのライブラリ”intersections”,”calc”を用いる.

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LaTeXで図を直接描けるTikZの使い方1|基本的な描線

 
 

LaTeXで図を扱いたいとき,もともと画像ファイルを作っておいて,それを挿入表示させる方法がある.

しかし,図とLaTeXの文字のバランスの調整が難しかったり,図の挿入が綺麗に挿入できないことも少なくない.

そこで,本稿ではTeXファイルに直接記述することで図を描くことができるパッケージのTikzのLaTeXでの使い方を紹介する.

TikZを使えば,直線,曲線,グラフも直接描くことができ,非常に便利である.

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ガウス関数のフーリエ変換を具体的に計算する

 
 

Fourie変換は「関数を波の和で表す」という発想に基づいた変換であり,理工系の様々な分野で重宝される.

G(x)=Ae^{-\eta x^2} (x\in\R)で定まる関数Gを(1次元の)Gauss(ガウス)関数(Gaussian/ガウシアン)いい,Gauss関数は正規分布の確率密度関数として知られる.

Gauss関数はFourier変換を施してもGauss関数であるという性質をもつ.

Fourier変換を数学的に定義するには,ある程度の条件(可積分性など)が必要である.具体的には,Lebesgue可積分であるような関数には,Fourier変換を定義することができる.

本記事では,Gauss関数にFourier変換が定義できることを説明し,Gauss関数のFourier変換が再びGauss関数になることを計算により確かめる.

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バナッハ空間とヒルベルト空間の完備でない部分空間の例

   

完備なノルム空間をBanach(バナッハ)空間といい,完備な内積空間をHilbert(ヒルベルト)空間という.

Banach空間(Hilbert空間)はもとより線型空間なので,線型空間としての部分空間を考えることができる.この部分空間に元の空間と同じノルム(内積)を与えたものはノルム空間(内積空間)となるが,完備性を持つとは限らない.

すなわち,Banach空間の部分空間が同じノルムでBanach空間になるとは限らないし,Hilbert空間の部分空間が同じ内積でHilbert空間になるとは限らない.

本稿では,Hilbert空間の部分ノルム空間で完備でないものの例を考える.その際,以下の事実に注意する.

一般に,Banach空間,Hilbert空間の部分空間が同じノルムで完備であるためには,部分空間が閉であることが必要十分である.したがって,Banach空間,Hilbert空間の閉でない部分ノルム空間は完備でない.

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シュレディンガー方程式のストリッカーツ評価の導出

   

本稿では,Schrödinger(シュレディンガー)方程式に関する不等式評価であるStrichartz評価とその証明を解説する.

Strichartz(ストリッカーツ)評価は,波動方程式に関する不等式評価であるStrichartz-Brenner評価に対応し,歴史的にはStrichartz-Brenner評価の方が古い.

Strichartz評価の証明のためには,「自由Schrödinger発展作用素e^{it\Delta}の分散型評価(分散評価)」と「Hardy-Littlewood-Sobolervの不等式」を用いることになる.

なお,自由Schrödinger発展作用素e^{it\Delta}は,初期値u_0に対して自由Schrödinger方程式

    \begin{align*} i\partial_t{u}+\Delta{u}=0 \end{align*}

の解e^{it\Delta}u_0を表す作用素e^{it\Delta}のことである.

【参考記事:自由シュレディンガー方程式の解の性質

Strichartz評価はSchrödinger方程式の評価をする上で,非常に重要な役割を果たす.

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書評/詳解と演習 大学院入試問題<数学>(数理工学社)

 
 

本記事では,

「詳解と演習 大学院入試問題<数学> 大学数学の理解を深めよう」 (海老原円・太田雅人 著/数理工学社)

の紹介をする.

本書は数学系の大学院入試のための問題集であり,重要な頻出問題を中心に構成されている.

また,各分野の最初には基本の解説がなされており,復習としても利用できる.

解答例の行間が少なく,考え方のポイントなども解説されており,非常に読みやすい問題集である.

とはいえ,簡単な問題だけでなく,東京大学や京都大学といった国公立大の問題も数多く掲載している.

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ハメル基底とf(x+y)=f(x)+f(y)をみたす関数

 
 

「Hamel(ハメル)基底」は「体\Q上のベクトル空間\Rの基底」のことをいい,選択公理を認めると「Hamel基底の存在」を証明することができる.

【参考記事:ベクトル空間の基底とハメル基底の存在の証明

さて,「Hamel基底が存在したら何が分かるのか」ということだが,Hamel基底を用いれば「任意のx,y\in\Rに対して,f(x+y)=f(x)+f(y)をみたす関数f:\R\to\Rf(x)=ax (a\in\R)に限られるか」という問題に対する反例を挙げることができる.

すなわち,f(x)=axならf(x+y)=f(x)+f(y)をみたすことは簡単に分かるが,Hamel基底の存在によりf(x)=axの形をしていないf(x+y)=f(x)+f(y)をみたす関数が存在することを示すことができるのである.

この記事では,Hamel基底を説明したあと,「f(x+y)=f(x)+f(y)をみたす関数f:\R\to\Rf(x)=ax (a\in\R)に限られるか」という問題に対する反例を考える.

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ベクトル空間の基底とハメル基底の存在の証明

   

Zorn(ツォルン)の補題は選択公理と同値な存在定理である.

選択公理を認めないとする立場もあるが,この記事では選択公理を認めてZornの補題を用いることで様々なものの存在を証明することができる.

例えば,この記事で扱う

  1. ベクトル空間における基底
  2. Hamel基底

の存在は両者ともZornの補題によって証明することができる.すなわち,選択公理を認めれば

  1. \{0\}でない任意のベクトル空間は基底を持つ
  2. Hamel基底が存在する

を証明することができる.

なお,Hamal基底のイメージなどについては以下の記事でも説明しているので参照されたい.

【参考記事:ハメル基底とf(x+y)=f(x)+f(y)をみたす関数

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