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不偏分散ってなに?|不偏推定量を考え方から理解する

例えば「日本人全体の平均」などを考えたいとしても,日本人全員にアンケートをとることは現実的には不可能ですが,無作為にアンケートをとって大まかに実態を推測することは可能です.

標本から推測を行う場合には,不偏推定量の概念が重要な場合があります.

不偏推定量は母集団の統計量の「良い」推測ができる標本の統計量の1つです.

とくに,分散の不偏推定量は不偏分散として計算でき,この不偏分散はなんだかよく分からないものとして敬遠されがちなものです.

この記事では,不偏推定量の考え方を説明し

  • 平均の不偏推定量
  • 分散の不偏推定量

を考えます.

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線形代数2|連立1次方程式の掃き出し法と行列の基本変形

たとえば

    \begin{align*} \begin{cases}x+y+z=2\\x+2y+3z=4\end{cases} \end{align*}

のように,いくつかの1次方程式を同時に満たす複数の未知数に関する方程式を連立1次方程式といいます.

連立1次方程式の解法として加減法がありますが,加減法は行列を考えることによって本質的に全く同じことができ,この行列を用いた解法を掃き出し法といいます.

加減法は掃き出し法から自然に考えることのできる解法であるが,この掃き出し法を基にして線形代数の理論が組み立てられる重要な考え方です.

なお,この記事では実数$\R$を中心に説明しますが,複素数$\C$など一般の体に対しても同様です.

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H30院試/京都大学/数学・数理解析専攻/基礎科目

平成30年度/京都大学大学院/理学研究科/数学・数理解析専攻の大学院入試問題の「基礎科目」の解答の方針と解答です.

ただし,採点基準などは公式に発表されていないため,ここでの解答が必ずしも正解とならない場合もあり得るので注意してください.

なお,過去問は京都大学のホームページから入手できます.

【参考:京都大学数学教室の過去問

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バナッハの不動点定理|完備距離空間の縮小写像の不動点

写像$f:X\to X$を施しても変化しない,すなわち$f(x)=x$を満たす点$x\in X$を$f$の不動点といいます.

不動点に関する定理は様々なものがあり,[Banach(バナッハ)の不動点定理]もその1つです.

[Banachの不動点定理]は完備距離空間$X$上の縮小写像に関する不動点定理で,別名[縮小写像の定理]とも呼ばれています.

例えば,常微分方程式の解の存在と一意性を証明する方法としてPicard(ピカール)の逐次近似法(Picard–Lindelöfの定理)がありますが,これは本質的に[Banachの不動点定理]です.

この記事では,[Banachの不動点定理]について説明したのち,この定理の証明をします.

なお,[Picardの逐次近似法]については以下の記事を参照してください.

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一様可積分性の判定条件|十分条件と必要十分条件

一様可積分性をもつ確率変数列は,積分と極限の順序交換に関する[Vitaliの収束定理]が成り立ちます.

[Vitaliの収束定理]は一様可積分な確率変数列が0に概収束していれば期待値も0に収束することが言えるため,[Lebesgueの収束定理]とは違って優関数をとってこなくても適用できる点が大きなメリットです.

この[Vitaliの収束定理]については前回の記事で説明したので参照してください.

したがって,[Vitaliの収束定理]を適用するには,確率変数列が一様可積分であることを判定する必要があリマス.

今回の記事では一様可積分性が成り立つための

  • 十分条件
  • 必要十分条件

を説明します.

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一様可積分とヴィタリの収束定理|ルベーグの収束定理の一般化

前回の記事で,確率変数列の基本の収束については

  • 概収束平均収束の間に関係はなく
  • 確率収束しても平均収束しない

のでした.しかし,一様可積分性のもとで確率変数列の収束を考えると

  • 概収束すれば1次平均収束する
  • 1次平均収束と確率収束は同値である

ということが示されます.

とくに前者は[Vitali(ヴィタリ)の収束定理]と呼ばれ,[Lebesgue(ルベーグ)の収束定理]の一般化となっています.

この記事で[Vitali(ヴィタリ)の収束定理]の証明をし,一様可積分性のもとで1次収束平均と確率収束が同値であることは次の記事で証明する.

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確率変数の4つの収束|概収束,平均収束,確率収束,法則収束

確率変数列$\{X_n\}_{n\in\N}$の収束として,

  • 概収束
  • 確率収束
  • 平均収束
  • 法則収束

の4種類が基本的で,これらの収束の間に強弱の関係があります.

この記事では,

  • これらの収束の定義
  • これらの収束の条件の強さ

を説明します.

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線形代数1|行列の計算の基本!行列の積はなぜこうなる?

線形代数は行列ベクトルを用いて記述されます.

行列とベクトルは線形代数の最初にパッと定義されることが多く,「そういうもの」という程度の理解で曖昧なまま読み進めてしまうことも多いです.

行列は多変数の1次式を簡単に表すことができるというメリットがあります.

この記事では,このメリットを感じるために,最初に行列とベクトルのイメージを掴むところから説明します.

また,行列の積をどうしてそのように定義するのか理解に苦しむ人も多いのですが,これもイメージが掴めていると自然な発想に基づいている事が分かります.

なお,この記事では実数$\R$を中心に説明しますが,複素数$\C$など一般の体に対しても同様です.

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線形代数の初学者のための道案内|線形代数のイメージを知る

「線形代数学」は大学以降の数学の基盤になる基礎的な分野で,多くの理系大学生が1年生で習うことになります.

線形代数学は他のほとんどの数学の分野で使われると言ってもいいほど大切な分野なので,とくに理論系の学科の人はここでコケてしまうと2年生以降がかなり厳しくなってしまいます.

定義や定理を覚えることは大切ですが,理論の大枠のイメージを持っていれば丸覚えすることなく自然に理解して覚えることができます.

数学では定義や定理は抽象的に表されることが多いですが,その裏には「やりたいこと」があります.

この「やりたいこと」のイメージを理解しておかないと,一体何をやっているのか分らなくなってしまいます.数学は数式が先にあるのではなく,やりたいことが最初にありそれを表現するために数式を用いるだけです.

大学の学部の線形代数学は,理論系ならばJordan標準形あたりまでを学ぶことが多いです.

この記事では線形代数学の初学者のために,Jordan標準形あたりまでの線形代数学の全体像を見ていきます.

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擬相関を見破る「偏相関係数」の考え方!回帰直線から導出

1日の「プールの利用者数」と「アイスの売り上げ」を記録すると,これらには正の相関があります.

しかし,「プールの利用者数が多くなるからアイスの売り上げが上がる」わけではないし,逆に「アイスの売り上げが上がるからプールの利用者数が多くなる」わけでもありません.

このように,相関とは「片方が大きいときに他方も大きいかどうか」を考えるものなので,因果関係までは分かりません.

さて,「プールの利用者数」と「アイスの売り上げ」を変化させる原因としては「気温」が挙げられます.

この「プールの利用者数」と「アイスの売り上げ」のように,因果関係がないのに相関があることを擬相関といいます.

よって,「気温」の変化による「プールの利用者数」と「アイスの売り上げ」の影響を除いたものの相関を考えると,相関関係は見られないのではないかと予想ができます.

このように,ある特定の影響を除いて考える相関係数のことを偏相関係数といいます.

この記事では

  • 偏相関係数の考え方
  • 導出法

を説明します.

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