山本 拓人

書評

教科書紹介|統計検定2級対応 統計学基礎(日本統計学会編)

本書は統計検定2級の出題範囲に即した教科書です.統計は多くの分野で応用されており,昨今の社会的な注目度には特筆すべきものがあります.本書は統計の基礎的事項がまとめられているため,統計を概観するにはよい教科書と言えます.
書評

オススメ入門書|集合・位相入門(松坂和夫著,岩波書店)

集合論・位相空間論の入門書です.集合論は数学のベースとなる分野で,本書では具体例を用いての説明が多く,初学者には非常に読みやすいのが嬉しい点です.また,章末問題も多いので,理解を深める助けになります.
書評

オススメ問題集|演習 大学院入試問題[数学](サイエンス社)

数学系の大学院入試対策の問題集です.本書は非常に多くの問題が扱われているのが特徴で,基本的な技術を身に付けることができます.また,基本問題だけではなく,東京大学,京都大学など旧帝大クラスの大学院入試の過去問も扱われています.
統計学

不偏推定量とは何か?|標本平均・不偏分散の不偏性も証明

統計を学んでいて多くの人が理解に苦しむものに「不偏性」があります.不偏性は「母集団の統計量を良く推定するもの」ということができます.この記事では,不偏推定量を考え方から説明します.
京都大学|大学院入試

2018年度 院試解説|京都大学 数学・数理解析専攻|基礎科目

2018年度の京都大学 理学研究科 数学・数理解析専攻の大学院入試問題の「基礎科目」の解答の方針とポイントと解答例を解説しています.8問出題され,6問を選択して解答します.試験時間は3時間30分です.
線形代数学の基本

連立1次方程式の掃き出し法|行列の行基本変形の考え方

連立1次方程式は加減法で解くことができますが,連立1次方程式を行列を用いて表すことにより,行列の変形を考えて解くこともできます.この行列を用いた解法を「掃き出し法」といい,線形代数の理論の基盤となる考え方です.
線形代数学の基本

行列・ベクトルの計算の基本|積はどうしてこの形になるのか?

この記事では線形代数の基本的な概念である行列・ベクトルの和や積などを考えます.しかし,行列の積の定義はやや複雑ですが,そのように定義することでとても計算が便利になります.
微分方程式

バナッハの不動点定理(縮小写像の原理)|証明と応用例も紹介

バナッハの不動点定理(縮小写像の原理)は「完備距離空間上の縮小写像は唯一つの不動点をもつ」という定理です.この記事では,基本事項を確認したのち,バナッハの不動点定理の具体例を紹介し,定理を証明します.
確率論

確率変数列の一様可積分性の判定|十分条件と必要十分条件

例えば,極限と期待値の順序交換に関する[Vitaliの収束定理]は,一様可積分な確率変数列に対して成り立つ定理である.このように,確率変数列に関する一様可積分性は「良い性質」と言える.この記事では,一様可積分性の十分条件と必要十分条件を説明する.
確率論

一様可積分とヴィタリの収束定理|ルベーグの収束定理の一般化

一様可積分性をもつ確率変数列は,積分と極限の順序交換に関する「ヴィタリの収束定理」が成り立ちます.ヴィタリの収束定理はルベーグの収束定理とは違って優関数を見つけてこなくても適用できる点が大きなメリットです.