共通部分は2つの集合の重なっている部分なので,共通部分
一方,2つの部分空間
この記事では,
- 部分空間の和空間の定義
- 部分空間の和空間の具体例
- 生成される部分空間の和空間の求め方
- 和空間と和集合の違い
を順に説明します.
なお,特に断らない限り以下では実行列・実ベクトルを扱うことにしますが,複素行列など一般の体を成分とする行列・ベクトルに対しても同様です.
この記事の内容は一般の線形空間でも同様に成り立ちますが,簡単のためここでは
「線形代数学の基本」の一連の記事
- 行列と列ベクトル
- 行列式
の部分空間と基底
部分空間の和空間の定義
を
この記事では2つの部分空間の和空間のみ扱いますが,3つ以上の部分空間の共通部分についても帰納的に和空間となります.
この和空間
だから,
[和について閉じていること]任意に
なる
であり,
[スカラー倍について閉じていること]任意に
であり,
[1], [2]より
部分空間の和空間の具体例
それではいくつか具体例を考えましょう.
具体例1( 上の 軸と 軸の和空間)
考え方
を足し合わせてできる
この他にも
このように考えると,和空間
解答例
今の考え方をもとにすると次のような解答になります.
和空間の定義と
と和空間
また,一般に平行でない2つのベクトルは線形独立だから
よって,
である.
具体例2( 上の直線と直線の和空間)
この具体例2でも
のように,
よって,具体例1と同様に和空間
和空間の定義と
と和空間
また,一般に平行でない2つのベクトルは線形独立だから
よって,
である.
生成される部分空間の和空間の求め方
いまみた具体例では和空間
と定める.このとき,和空間
となる.
つまり,部分空間
生成される部分空間の定義より
上のベクトルは ( ) 上のベクトルは ( )
と表すことができるから,和空間
となる.
上の2つの具体例もこの証明と本質的に同じことをしていますね.
この命題を用いていくつか具体的に和空間を求めてみましょう.
具体例1( 上の 軸と 軸の和空間)
先ほど定義から直接求めた
具体例2( 上の直線と直線の和空間)
先ほどの具体例2も生成される部分空間の和空間と考えて解いてみましょう.
具体例3( 上の平面と直線の和空間)
この具体例3では
直線
つまり,和空間
部分空間
と表せる.同様に,部分空間
と表せる.よって,和空間は
これら和空間
と簡約化できるので,行列
よって,
具体例4( 上の平面と平面の和空間)
具体例1から具体例3までは
和空間
となる.行基本変形で列ベクトルの線形関係は不変だから
よって,
和空間と和集合との違い
先ほども少し触れましたが,和集合
と和空間
和集合はただ単に集合を併せてできる集合なので,上の例の
これは和空間と違って,
一般に
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