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ガウス関数のフーリエ変換を実際に計算する

Fourie(フーリエ)変換は「関数を波の和で表す」という発想に基づいた変換であり,理工系の様々な分野で重宝されています.

G(x)=Ae^{-\eta x^2} (x\in\R)で定まる関数Gを(1次元の)Gauss(ガウス)関数(Gaussian/ガウシアン)いい,Gauss関数はFourier変換を施してもGauss関数であるという性質をもちます.

また,Gauss関数G(x)=\frac{1}{\sqrt{2\pi\sigma^2}}e^{-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma^2}}は確率・統計の分野では,平均\mu,分散\sigma^2の正規分布の確率密度関数としても有名ですね.

Fourier変換を数学的に定義するには,ある程度の条件(可積分性など)が必要で,具体的にはLebesgue可積分であるような関数にはFourier変換を定義することができます.

この記事ではGauss関数にFourier変換が定義できることを説明し,Gauss関数のFourier変換が再びGauss関数になることを計算により確かめます.

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バナッハ空間とヒルベルト空間の完備でない部分空間の例

完備なノルム空間をBanach(バナッハ)空間といい,完備な内積空間をHilbert(ヒルベルト)空間という.

Banach空間(Hilbert空間)はもとより線型空間なので,線型空間としての部分空間を考えることができる.この部分空間に元の空間と同じノルム(内積)を与えたものはノルム空間(内積空間)となるが,完備性を持つとは限らない.

すなわち,Banach空間の部分空間が同じノルムでBanach空間になるとは限らないし,Hilbert空間の部分空間が同じ内積でHilbert空間になるとは限らない.

本稿では,Hilbert空間の部分ノルム空間で完備でないものの例を考える.その際,以下の事実に注意する.

一般に,Banach空間,Hilbert空間の部分空間が同じノルムで完備であるためには,部分空間が閉であることが必要十分である.したがって,Banach空間,Hilbert空間の閉でない部分ノルム空間は完備でない.

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シュレディンガー方程式の基本解の[LpLq評価]の導出

この記事では,Schrödinger(シュレディンガー)方程式の基本解に関して基本的な評価式である[L^pL^q評価]を説明します.

Schrödinger方程式の基本解とは,大雑把には初期値u_0=u(0,x)に対する自由Schrödinger方程式

    \begin{align*} i\partial_t{u}(t,x)+\Delta u(t,x)=0 \end{align*}

の解uのことで,u,u_0\in\mathcal{S}(\R^d)のとき解はu=e^{it\Delta}u_0と表すことができます.

Schrödinger方程式の[L^pL^q評価]は\|e^{it\Delta}u_0\|_{L^{p}(\R^{d})}\|u_0\|_{L^{q}(\R^{d})}で上から評価する不等式です.

Schrödinger方程式に関する重要な評価式である[Strichartz(ストリッカーツ)評価]のベースとなります.

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書評|詳解と演習 大学院入試問題<数学>(数理工学社)

本記事では,

「詳解と演習 大学院入試問題<数学> 大学数学の理解を深めよう」
(海老原円・太田雅人 著/数理工学社)

の紹介をする.

本書は数学系の大学院入試のための問題集であり,重要な頻出問題を中心に構成されている.

また,各分野の最初には基本の解説がなされており,復習としても利用できる.

解答例の行間が少なく,考え方のポイントなども解説されており,非常に読みやすい問題集である.

とはいえ,簡単な問題だけでなく,東京大学や京都大学といった国公立大の問題も数多く掲載されている.

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ハメル基底とf(x+y)=f(x)+f(y)をみたす関数

1つ問題を考える.aを実数として,f:\R\to\R;x\mapsto axで定まる関数fが等式

    \begin{align*} f(x+y)=f(x)+f(y) \end{align*}

をみたすことは簡単に分かるが,逆にこの等式を満たす関数f:\R\to\R

    \begin{align*} f(x)=ax\quad(a\in\R) \end{align*}

の形のものに限るだろうか?

実は,Hamel(ハメル)基底というものを用いれば,f(x+y)=f(x)+f(y)を満たすがf(x)=axの形をしていない関数f:\R\to\Rの存在を示すことができる.

この記事では,

  • Hamel基底を説明し,
  • f(x+y)=f(x)+f(y)をみたす関数f:\R\to\R

を考える.

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[ベクトル空間の基底]と[ハメル基底]の存在の証明

Zorn(ツォルン)の補題は選択公理と同値な存在定理であり,Zornの補題を用いることで様々なものの存在を証明することができる.

例えば,この記事で扱う

  • ベクトル空間における基底
  • Hamel基底

の存在は両者ともZornの補題によって証明することができる.

なお,Hamal基底のイメージなどについては以下の記事でも説明しているので参照されたい.

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群と環と体の定義とそれらの具体例

代数学は数学の構造を研究する分野であり,群(group),環(ring),体(field)上において理論が展開されることは非常に多いです.

群,環,体といった代数構造を定義するためには,「集合」と「演算」が必要となります.

例えば,

  • 整数の集合\Zは通常の加法+によって「群」
  • 実数係数の1変数多項式\R[x]の集合は通常の加法+と乗法\cdotによって「環」
  • 実数の集合\Rは通常の加法+と乗法\cdotによって「体」

となります.

この記事では,最初に「2項演算」を説明し,そのあとに群,環,体の定義とそれらの例を挙げます.

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弱Lp有界性とマルチンキーヴィッツの実補間定理

関数空間の補間定理として,[Marcinkiewicz(マルチンキーヴィッツ)の実補間定理]があります.

定義はのちに述べますが,作用素のL^p有界性には

  • (普通の)L^p有界性
  • L^p有界性

があります.名前からも分かるように,作用素TL^p有界であれば弱L^p有界となります.

[Marcinkiewiczの実補間定理]は,ある種の三角不等式を満たす作用素Tが

  • L^1有界性
  • L^q有界性 (1<q)

をもつとき,任意のp\in(1,q)に対して作用素TがL^p有界性をもつことを保証する定理です.つまり,両端L^1L^qで弱有界であれば,その間でL^p有界となるわけですね.

この「両端は弱でよい」というのが[Marcinkiewiczの実補間定理]の優れた点で,加えて[Marcinkiewiczの実補間定理]は線形でない作用素に適用できる点も優れています.

なお,「マルチンキェーヴィツ」がMarcinkiewiczの正確な発音に近いようです.

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ラグランジュの未定乗数法はどう使う?|直感的な理解と証明

例えば,

    \begin{align*} f(x,y)=x^2+3xy+y^2+1 \end{align*}

の最小値を求めたいとき,

    \begin{align*} \pd{f}{x}(a,b)=\pd{f}{y}(a,b)=0 \end{align*}

を満たす点(a,b)を求めることによって,f(x,y)が最小値をとる点の候補が得られます.

しかし,これが「x+y=1上でのf(x,y)=x^2+3xy+y^2+1の最小値を求めたい」といったように,xyに制約(この場合にはx+y=1)がかかると単純にfの偏導関数から最小値を求めることができません.

そこで,曲線や直線上といった「制約条件下」での関数の極値を求めるために,[Lagrange(ラグランジュ)の未定乗数法]があります.

この記事では,[Lagrangeの未定乗数法]の直感的な考え方を説明し,具体例から使い方をみます.

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自由シュレディンガー方程式の基本解とユニタリ群

自由Schrödinger(シュレディンガー)方程式とは,線形の偏微分方程式

    \begin{align*} i\partial_{t}u(t,x)+\Delta u(t,x)=0 \end{align*}

のことで,非線形Schrödinger方程式を考える際にも基本となる方程式です.

ここに

  • iは虚数単位
  • \partial_{t}=\frac{\partial}{\partial t}
  • \Delta=\sum_{i=1}^N\frac{\partial^2}{\partial x_i^2}

です.

自由Schrödinger方程式の初期値問題の解uは,[Stoneの定理]を用いてu(t,x)=e^{it\Delta}u_0(x)と表すことができ,このe^{it\Delta}自由Schrödinger発展作用素といいます.

[Stoneの定理]を用いるためには,自由Schrödinger発展作用素e^{it\Delta}が強連続ユニタリ群であることを述べる必要があり,そのためにこの記事では自由Schrödinger(シュレディンガー)方程式の解を考えます.

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