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自由シュレディンガー方程式の基本解とユニタリ群

自由Schrödinger(シュレディンガー)方程式とは,線形の偏微分方程式

    \begin{align*} i\partial_{t}u(t,x)+\Delta u(t,x)=0 \end{align*}

のことで,非線形Schrödinger方程式を考える際にも基本となる方程式です.

ここに

  • $i$は虚数単位
  • $\partial_{t}=\frac{\partial}{\partial t}$
  • $\Delta=\sum_{i=1}^N\frac{\partial^2}{\partial x_i^2}$

です.

自由Schrödinger方程式の初期値問題の解$u$は,[Stoneの定理]を用いて$u(t,x)=e^{it\Delta}u_0(x)$と表すことができ,この$e^{it\Delta}$を自由Schrödinger発展作用素といいます.

[Stoneの定理]を用いるためには,自由Schrödinger発展作用素$e^{it\Delta}$が強連続ユニタリ群であることを述べる必要があり,そのためにこの記事では自由Schrödinger(シュレディンガー)方程式の解を考えます.

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ペロン・フロベニウスの定理|成分が正の行列の最大固有値

[Perron(ペロン)-Frobenius(フロベニウス)の定理]とは,全ての成分が正または非負である正方行列の最大固有値に関する定理です.

歴史的には

  • 全ての成分が正の行列に対する定理をOskar Perronが
  • 後に全ての成分が非負の行列に対する同様の定理をFerdinand Georg Frobeniusが

示しました.

この[Perron-Frobeniusの定理]は工学から経済学まで非常に広く応用されます.

なお,多項式に行列を代入したときの固有値に対する[Frobeniusの定理]は別の定理で,これについては以下を参照してください.

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微分積分学の基本定理とその証明|微分と積分の関係を導出

求積の方法として「積分」を定義する方法はいくつかありますが,最もシンプルな積分の定義にRiemann(リーマン)積分でしょう.

Riemann積分は関数の定義域$I$を細かく分割して,長方形近似から(Riemann和を求めて)求積する方法です.

しかし,実際にRiemann積分を定義から計算しようとすると,Riemann和を求める必要があり計算は面倒です.

そこで,長方形近似を経由せずに簡単に積分を計算する方法が欲しいわけですが,[微分積分法の基本定理]を用いることでRiemann積分は簡単に計算することができます.

なお,高校数学においては「微分の逆演算」として積分を定めるため,この定義によれば[微分積分学の定理]は明らかです.

しかし,連続でない関数に対してこの定義はうまくなく,主に連続関数を扱う高校数学ならではの定義となっています.

この記事では,[微分積分学の基本定理]について説明します.

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双対性議論(duality argument)について

$p\in[1,\infty)$に対して,$p’=\bra{1-\frac{1}{p}}^{-1}$で$p’\in(1,\infty]$を定める(すなわち,$p$と$p’$はHölder共役).

このとき,$L^{p}$の共役空間(双対空間)$(L^{p})^{*}$が$L^{p’}$と同型であることはよく知られているが,この事実を示すことは簡単ではない.

しかし,この双対的な議論をするとき,$(L^{p})^{*}\cong L^{p’}$まで用いる必要はなく,任意の$v\in L^{p’}(\Omega)$に対して,

    \begin{align*} \|v\|_{L^{p'}(\Omega)} =\sup_{\|u\|_{L^{p}(\Omega)}=1}\abs{\int_{\Omega}u(x)v(x)\,dx} \end{align*}

が成り立つことを用いれば十分なことも多い.

この記事では,この等式に関する証明を行う.

なお,$\Omega\subset\R^N$に対して,$I_{\Omega}$を$\Omega\subset\R^N$上の定義関数とする.

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フビニの定理,トネリの定理,フビニ・トネリの定理のまとめ

測度空間$X$, $Y$に対して,

  • $\dint_{X\times Y}f(x,y)\,d(x,y)$
  • $\dint_{Y}\bra{\dint_{X}f(x,y)\,dx}\,dy$

は一致するとは限らない.

[Fubini(フビニ)の定理][Tonnelli(トネリ)の定理]は二重積分と累次積分が一致するための十分条件を述べたものであり,非常に重要な解析学の定理である.

また,[Fubiniの定理]と[Tonelliの定理]を組み合わせた[Fubini-Tonelliの定理]と呼ばれる定理も存在する.

[Fubiniの定理],[Tonelliの定理],[Fubini-Tonelliの定理]を総称して「Fubiniの定理」と呼ぶ場合もある.

この記事では,[Fubiniの定理],[Tonelliの定理],[Fubini-Tonelliの定理]を概説する.

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Riesz-Thorinの複素補間定理とその証明

作用素の中でも,有界作用素は様々な良い性質をもつ.

作用素の有界性を保証する定理の一つとして,[Riesz(リース)-Thorin(ソリン,トーリン)の複素補間定理]がある.

[Riesz-Thorinの複素補間定理]は以下のように述べられる.

作用素$T$が$L^{p_0}$から$L^{q_0}$への有界作用素,かつ$L^{p_1}$から$L^{q_1}$への有界作用素でもあるとき,$T$は$L^{p_{\theta}}$から$L^{q_{\theta}}$への有界作用素となる.

ここに,$p_{\theta}$, $q_{\theta}$は次の通りである.

    \begin{align*} p_{\theta}:=\bra{\frac{1-\theta}{p_0}+\frac{\theta}{p_1}}^{-1},\quad q_{\theta}:=\bra{\frac{1-\theta}{q_0}+\frac{\theta}{q_1}}^{-1} \end{align*}

なお,座標平面上の点$(p_{\theta},q_{\theta})$は2点$(p_0,q_0)$, $(p_1,q_1)$を結ぶ線分の内分点である.

すなわち,ある2点$(p,q)=(p_0,q_0),(p_1,q_1)$で作用素$T$が$L^p$から$L^q$への有界作用素であれば,その2点を結ぶ線分上の任意の点$(p’,q’)$においても,$T$が$L^{p’}$から$L^{q’}$への有界作用素となる.

このように,ある2つの状況で成り立っており,それらの間でも成り立つことを保証する定理を補間定理という.

[Riesz-Thorinの複素補間定理]の証明には,[Hadamard-Phragmén-Lindelöfの三線定理]を用いる.

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ストーンの定理|強連続ユニタリ群になるための必要十分条件

Hilbert空間上の有界線形作用素の族$\{T_t\}_{t\in\R}$が強連続ユニタリ群になるための必要十分条件を与える[Stoneの定理]について説明します.

類似の定理としては[Hille-Yosidaの定理]があり,こちらはBanach空間上の線形作用素$A$が半群$\{T_t\}_{t\in\R}$の生成作用素となる必要十分条件を述べる定理です.

[Hille-Yosidaの定理]から[Stoneの定理]を証明することができるので[Hille-Yosidaの定理]があれば十分ですが,歴史的には[Stoneの定理]の方が先に証明されています.

また,[Stoneの定理]はHilbert空間の有界線形作用素の場合に限るためシンプルで分かりやすいので,[Hille-Yosidaの定理]の特別な場合として[Stoneの定理]を学んでおくのもよいでしょう.

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H28院試/大阪市立大学/数物系専攻/数学系/専門分野

平成28年度/大阪市立大学大学院/理学研究科/数物系専攻/数学系の大学院入試問題の「専門分野」の解答の方針と解答です.

ただし,採点基準などは公式に発表されていないため,ここでの解答例が必ずしも正解とならない場合もあり得るので注意してください.

なお,過去問は大阪市立大学のサポートセンターで借りて,コピーすることはできます.

【参考:大阪市立大学/理学部・理学研究科/大学院入試情報

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H29院試/京都大学/数学・数理解析専攻/基礎科目

平成29年度/京都大学大学院/理学研究科/数学・数理解析専攻の大学院入試問題の「基礎科目」の解答の方針と解答です.

ただし,採点基準などは公式に発表されていないため,ここでの解答が必ずしも正解とならない場合もあり得るので注意してください.

なお,過去問は京都大学のホームページから入手できます.

【参考:京都大学数学教室の過去問

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H26院試/京都大学/数学・数理解析専攻/専門科目

平成26年度/京都大学大学院/理学研究科/数学・数理解析専攻の大学院入試問題の「専門科目」の解答の方針と解答です.

ただし,採点基準などは公式に発表されていないため,ここでの解答が必ずしも正解とならない場合もあり得るので注意してください.

なお,過去問は京都大学のホームページから入手できます.

【参考:京都大学数学教室の過去問

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